50代未経験オヤジ、最初の1ヶ月は車庫でバック練習でした

50代半ばで転職を決意し、子供の頃からの夢だったタンクローリートレーラー乗務員になった私。

大型免許、牽引免許、乙4資格を取得し、無事に採用が決まりました。

しかし、入社したその日からすぐに配送へ出られたわけではありません。

私の場合、最初の約1ヶ月間は車庫でバック訓練の日々でした。

今回は、50代未経験で入社した私が経験した車庫内訓練についてお話ししたいと思います。

いきなり配送には出られない

タンクローリートレーラーは全長15メートルを超えるものもある大型車両です。

しかも危険物を積載して走行するため、一般的な大型トラック以上に高い安全意識が求められます。

そのため、未経験者が入社したからといって、すぐに公道へ出ることはありませんでした。

まずは車庫内で基本操作を徹底的に身につけるところからスタートです。

当時の私は、

「教習所で牽引免許を取ったから何とかなるだろう」

と思っていました。

しかし、その考えはすぐに甘かったことを思い知らされることになります。

最初は直線バックから

訓練のスタートは直線バックでした。

言葉だけ聞けば簡単そうですが、実際は全く違います。

トレーラーは少しのハンドル操作でも後ろの動きが大きく変わります。

私が最初に教わったのは、

「ヘッドの後輪とタンクのサイドバンパーを見ること」

でした。

運転席の窓から顔を出し、ヘッド後輪とタンクのサイドバンパーの位置関係を直接目視します。

左右の位置関係が均等であれば真っ直ぐ下がっています。

反対にどちらかへズレ始めたら、その時点で修正します。

ズレが大きくなってから直そうとすると、余計に車両が折れてしまうためです。

「少しズレたらすぐ修正」

この基本を何度も繰り返しながら体に覚え込ませていきました。

真っ直ぐ下がるだけなのに難しい

最初の頃は本当に苦戦しました。

自分では真っ直ぐ下がっているつもりでも、実際には少しずつ左右へズレていきます。

慌てて修正すると今度は反対側へズレる。

その繰り返しでした。

何度も前進してやり直し。

またバックしてやり直し。

たった数十メートルの直線バックなのに汗だくになります。

しかし毎日繰り返しているうちに、少しずつ車両の動きが読めるようになってきました。

「あ、今は右へズレ始めているな」

「今のうちに修正しよう」

そんな判断が少しずつできるようになっていったのです。

右バック、左バックへ

直線バックが安定してくると、次は右バックの訓練です。

そしてその後に待っていたのが左バックでした。

右バックは運転席側なので比較的見やすいのですが、それでも簡単ではありません。

特に左バックは感覚を掴むまでかなり苦労しました。

何度も折り過ぎたり、戻し過ぎたりしてやり直しを繰り返しました。

それでも毎日車両に触れることで、少しずつトレーラー独特の動きが理解できるようになっていきました。

約1ヶ月の車庫内訓練

私の場合、この車庫内訓練が約1ヶ月続きました。

もちろん期間は会社や本人の習熟度によって異なると思います。

もっと短い人もいるでしょうし、逆に長くなる人もいるかもしれません。

当時は、

「いつになったら公道へ出られるんだろう」

と思うこともありました。

しかし今振り返ると、この1ヶ月間は決して無駄ではありませんでした。

むしろ、この期間が現在の運転技術の土台になっています。

トレーラーの仕事ではバック操作が避けて通れません。

だからこそ会社も時間をかけて基本を教えてくれたのだと思います。

次は路上走行訓練

約1ヶ月の車庫内訓練を終えると、次は路上走行訓練が始まりました。

それまで毎日車庫の中でバックばかり練習していましたが、今度は実際の道路を走ります。

初めて公道でタンクローリートレーラーを運転した時は、とにかく緊張しました。

車幅の感覚。

左折時の内輪差。

右左折時の舐め方。

車線変更のタイミング。

教習所で学んだことを実際の道路で実践していきます。

特に交差点では普通車とは全く違う感覚が必要でした。

最初のうちは交差点が近づくだけで緊張していたのを覚えています。

荷卸し訓練が始まる

路上走行訓練と並行して行われたのが荷卸し訓練です。

タンクローリーの仕事は運転だけではありません。

むしろ安全に荷卸しを行うことが最も重要な仕事と言っても過言ではありません。

ホースの接続方法。

荷卸し手順。

油種確認。

バルブ操作。

安全確認。

一つひとつの作業には意味があり、決められた手順があります。

最初は覚えることの多さに圧倒されました。

しかし先輩方の指導を受けながら、少しずつ仕事の流れを理解していきました。

車庫で身につけたバック技術。

路上走行で学んだ運転技術。

そして荷卸し訓練で学んだ作業手順。

こうして少しずつ、一人前のタンクローリー乗務員になるための土台が作られていったのです。

50代未経験でも挑戦できる

50代で未経験業界へ飛び込むことに不安を感じる方は多いと思います。

私もそうでした。

覚えることは多く、若い頃のようにすぐ身につくわけではありません。

それでも毎日少しずつ積み重ねれば確実に前へ進めます。

最初は真っ直ぐバックすることすら難しかった私ですが、練習を重ねることで少しずつ成長することができました。

もし今、タンクローリーやトレーラー業界への転職を考えている方がいるなら、焦らず基本を身につけることをおすすめします。

私のタンクローリートレーラー人生は、車庫での一本の直線バックから始まりました。

夢への第一歩は、意外とそんな地味な練習から始まるものなのです。


車庫内訓練の様子についてはこちら

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