はじめに
車庫内訓練で鈍角右バックの練習を繰り返していた私に、次の訓練が始まりました。
それが荷卸し訓練です。
正直なところ、
「荷卸しなんてホースを繋いで荷物を下ろすだけだろう」
と思っていました。
しかし、その考えは完全に間違いでした。
実際に訓練を受けてみると、運転技術以上に覚えることが多く、50代の頭にはなかなか厳しいものがありました。
今回は、未経験者だった私が初めて荷卸し訓練を受けた時の体験を書いてみたいと思います。
とにかくマニュアルを丸暗記
荷卸し訓練が始まって最初に驚いたのは、作業手順の細かさでした。
何をするにも決められた順番があります。
ホースを接続する前に確認すること。
荷卸しを開始する前に確認すること。
荷卸し中に確認すること。
荷卸し終了後に確認すること。
ひとつひとつの作業に意味があり、順番も決まっています。
私はまずマニュアルを渡され、
「まずは覚えてください」
と言われました。
まるで学生時代の試験勉強に戻ったような気分です。
50代オヤジにはこれが結構辛い
若い頃ならもっと簡単に覚えられたのかもしれません。
しかし50代になるとそう簡単にはいきません。
覚えたつもりでも翌日には抜けている。
昨日できたことが今日は思い出せない。
帰宅してから何度もマニュアルを見返し、ノートにまとめる毎日でした。
運転技術よりも記憶力との戦いだったと言ってもいいかもしれません。
なぜここまで細かい手順が決められているのか
最初は不思議でした。
「ここまで細かく決める必要があるのか?」
と思っていたのです。
しかし訓練を受けるうちに理由が分かってきました。
タンクローリーが運んでいるのは危険物です。
ガソリンや軽油は取り扱いを間違えれば大事故につながります。
ほんの小さな確認漏れが重大事故を招く可能性があります。
だからこそ、
誰が作業しても同じ手順で安全に作業できるように細かくマニュアル化されているのです。
ベテランだから省略する。
慣れたから確認しない。
そういった考え方が最も危険なのだと感じました。
大きな声での指差呼称
荷卸し訓練でもうひとつ驚いたのが指差呼称でした。
確認するだけではありません。
指を差し、大きな声で呼称します。
最初は正直恥ずかしかったです。
周囲に人もいます。
50代のオヤジが大声で確認している姿に少し抵抗もありました。
しかし訓練では、
「聞こえない」
「もっと大きな声で」
と何度も指導されました。
なぜ指差呼称が大切なのか
指差呼称には大きな意味があります。
人間は見たつもりになり、確認したつもりになります。
しかし実際には見落としていることがあります。
指を差す。
目で見る。
声に出す。
耳で聞く。
複数の感覚を使うことで確認の精度が上がるのです。
つまり指差呼称は単なる儀式ではありません。
事故を防ぐための重要な安全行動なのです。
訓練を受けるうちに、その意味を理解できるようになりました。
運転よりも安全が優先される世界
荷卸し訓練を通じて強く感じたことがあります。
それは、
「タンクローリーの仕事は運転だけではない」
ということです。
むしろ会社が求めているのは、安全に積込み・荷卸しができる乗務員です。
どれだけ運転が上手でも、安全手順を守れなければ仕事になりません。
そのためのマニュアルであり、そのための指差呼称なのです。
まとめ
荷卸し訓練が始まった頃の私は、
「運転技術を覚えることが一番大変だろう」
と思っていました。
しかし実際には違いました。
・マニュアルを覚える
・作業手順を覚える
・安全確認を覚える
・指差呼称を覚える
こうしたことの方が大変だったのです。
特に50代未経験者にとっては、覚える量の多さに驚くかもしれません。
それでも今振り返ると、細かな手順や指差呼称には全て意味がありました。
危険物を扱う仕事だからこそ、安全を最優先に考える文化が根付いているのです。
荷卸し訓練は、単なる作業訓練ではなく、安全の大切さを学ぶ時間だったと今では感じています。
初めてホースを扱った日についての記事はこちら
引っ張りオヤジのトレーラー転職日記 
